展望する風景 雨の日、新冠泥火山にて.
 

雨の日、ボクは丘の上にいた

眼下には見渡すかぎり続く草原があった

一頭の馬が身じろぎもせず佇んでいる

つめたい雨に打たれながら...


雨の日の旅、長く感じる時

鮮やかな緑、黒鹿毛の馬

雨音だけが聞こえ、時は止まっているように感じた

草原、はるか遠くは雨霧に霞む


ボクは、この風景、この刻を愉しもうとしていた

しかし突然、黒鹿毛の馬はキャンターで駆けていく

雨霧の向こうへ、何処までもはるか遠くへ...

ボクの創りだした幻想の風景

その主人公だった黒鹿毛の馬が崩していった

雨の日、新冠泥火山にて...