この日は北海道全域雨の予報。

長い旅にはこういう日は必ずあるけど、どのように過ごすかはいつも悩む。

なんとなく北へ行けば晴れているような気がして、雨の中300Km先の宗谷を目指した。

宗谷岬へ着いたころ雨はやみ、青空が広がってきた。

海峡の向こうにはサハリンが見えていた...

9月5日の旅の始まりは能取岬

能取湖で宗谷へ向かうことを決めた

オホーツク国道、宗谷国道、国道238号

0:30PM 350Km走って、雨がやんだばかりの宗谷岬に到着。

雲の切れ目から陽がさしてきた。

やった!うれしい。来た甲斐があったよ。

4日目 2006年9月5日 雨中を300Km、北の果てで見たサハリン

道東の9月5日の天気予報は雨、道東だけではなくほぼ北海道全域が雨だ。

唯一、稚内だけが午後から晴れる可能性がありそうだった。

ただ、ここから宗谷は350Kmの彼方だ。

斜里から走り出した時は、まだ朝日があった。

どこへ向かうか悩みながら走る。

国道244号から能取岬へ向かう道道76号へ入る。

まもなく能取岬だ。

海に向かって吸い込まれていきそうなこの道は、昨年来て感動した場所。

この蒼い空、草原、海、そして白い雲。

気持ちがいい景色にまた出会えた...

国道238号増幌橋付近。

昨年泊まったペンションあるめりあが見えてきた。

でも、頭はうにを食べることでいっぱい。利尻富士も見えていたんだ。

稚内空港付近。

もう天気の心配は無い。

すばらしい天気になってきた。

彼方に宗谷丘陵の風力発電が見える。

うにを食べにノシャップ岬へ急ぐ

宗谷丘陵から国道238号へ戻る。

雲がかなりのスピードで流れていく。

ノシャップ岬を散策

うにで満たされたおなか。

腹ごなしにノシャップ岬を歩く。

ノシャップ岬の先端に立つと水平線が丸く見える。

赤い鉢巻を巻いた稚内灯台は北海道で一番高い灯台だ。(日本では2番目)

どこまでも高く、青空に映える。

恵山泊港と丘の上のノシャップ公園。

ここに昔は灯台があったのだ。

今は自衛隊のレーダーサイトばかりが目立つ。

雨あがりの宗谷岬へ到着

宗谷岬から宗谷丘陵に上がっていくと一気に晴れてきた。

やっぱこうじゃないとね。

宗谷丘陵は肉牛の産地でもある。放牧されていた牛が集められているところに出くわした。

北海道指折りの快走路、宗谷丘陵を走る

灯台の隣にはノシャップ寒流水族館がある。

この灯台なんか灯台っぽくない雰囲気だと思ったら、昔は丘の上に灯台があったのだという。当時の米軍ノシャップ基地の拡張で海沿いに引っ越してきたのだそうだ。

丘の上にあった頃の高度を維持するためにこのように高いのだ。

つまり、後でこの場所に来たので借地に立っているような感じなのだ。事実まわりは水族館の駐車場だもんね。

あーこの蒼い空。

350Km走って来た甲斐があったと言うものじゃないか?

利尻島も見えてきた。

さて、目的のサロベツ原野を走る道道106号へ向かおう。

すばらしい風景が見れそうだ。

どんより曇った能取岬。

雨はまだ降っていない。期待していた場所だけに落胆が大きい。

誰もいない岬を歩いた。

ひとり、歩いた。

能取岬の卯原内はサンゴ草の名所。

昨年はこの湖畔に宿泊した。ただし7月だったので普通の水草に見えたのだった。


土砂降りになってきたがクルマを降りて写真を撮った。

この風景を青空のもと見たかったものだ。


サンゴ草ってここまで赤くなるのがどうも信じられない。7月のただの緑の水草だったんだから...


ますます強くなってくる雨。

自分自身にどうするのか問いかけて、

宗谷へ向かう決心をした。

人の掛け声で、みるみるうちに牛が集まってくる

素直なものである。

雨上がりの空は抜けるように青かった。

能取岬を出て、能取湖へ向かう。

昨年完成していなかったトンネルが開通していた。

このトンネルの大きさはどうだ。まるで有事にミサイルでも運べるくらいの広さだ。

たぶんそういう用途も考えられて作られているんだろう...

トンネルを出てしばらく走ると工事中のダートが残る。

ただし、昨年は結構残っていたダート区間はここだけ。

来年にはいい道が完成しているだろう。


注:2006年9月の話であり、現在ではこの道路は完全舗装です。

能取湖を出て、国道238号を宗谷へ向かう。

この道はオホーツク国道、宗谷国道と名を変えるが、実際には国道238号である。

ここは湧別川の鉄橋を渡った直後、上湧別町付近。

晴れるであろう、はるか300Km先を目指す。

雨はさらに強く降り続く...

枝幸町を越えて、北見神威岬付近を越えるところ。

雨はますます激しい。

ホンとに晴れるのだろうか?

少し不安になってきた...

猿払村を越えた。宗谷岬までは20Kmというところだろうか。

ここで、雨は止んだ...

再び最北端の地に立つ。

はるか遠くにサハリンが見えていた。

宗谷岬にある歌碑。襟裳岬は森進一が、龍飛岬では石川さゆりが常に熱唱しているが、なんかちょっと食傷ぎみだ。この宗谷岬の歌は本当に好きだ。

流氷融けて 春風吹いて

ハマナス咲いて カモメも啼いて

遥か沖ゆく 外国船の

煙も嬉し 宗谷の岬

流氷融けて 春風吹いて

ハマナス揺れる 宗谷の岬

一度聞いたら簡単に歌えるこの歌を、くちずさんでゆったりすごすのが宗谷岬の楽しみだ。

これがサハリン。

意外に近い。建物まで見えている。

あれが外国なんてちょっと信じられないね。

さて、おなかも減ってきたしノシャップ岬へ向かって昼食としよう。

宗谷丘陵経由で行こう。

雨上がりの宗谷丘陵を走っていこう。きもちいい道を行こう。

広がる草原、青い海に浮かぶサハリン。

最果ての地の草原はどこまでも雄大な風景を見せてくれる。

どこまでも続いて欲しいような道路が続く。

そろそろ幌を開けてオープンで走ろう。

2:10 PM

稚内市内を通り抜けてノシャップ岬に到着。とにかくクルマを駐車場に停めて、うに丼だ!

シピリカという店に飛び込む。ここは去年うに丼食べて感動した店である。ここのうに丼は2,000円だが、今回は特盛を頼む3,000円。これ、これ。生の蝦夷ばふんうに。山盛り...

店の人に「最初はうにだけ食べて、その次はしょうゆをかけないでそのまま食べてください」と言われる。

うにを口に運ぶ... あまい...口のなかに広がる、この味。たまらん。

うにだけでずいぶん食べたが、簡単には無くならないくらい量がある。次はごはんと...

あ~しあわせ。

10分ほど、かなりしあわせになったな。もう一杯食べてもう一度しあわせになろうかと思ったよ。