根室の朝は雨。

北太平洋シーサイドラインは晴天で走ってみたかったのだが、近づいて来ている台風の影響で北海道はどこも雨だった...

静かにゆっくり海岸線を流そう。襟裳岬まで。

そういう一日。

霧に霞む花咲灯台

6日目 2009年9月5日 雨の北太平洋シーサイドライン

9月5日が天気が良くないことはわかっていた...

それでも、早朝天気が良くなっていれば納沙布岬へ戻り日の出を見ようと思っていたのだが...

結局ホテルを遅めに出て、花咲灯台に向かった。

花咲灯台は霧につつまれご覧の通り。

気が進まなかったけど、せっかく来たのだから遊歩道を歩く。

海はやはり荒れていた...

それでも一眼レフカメラで撮影に来ている人がいた。

根室本線次の停車駅、別当賀駅にやってきた。

道道142号はこの別当賀駅直前でクランク状に根室本線をまたいで線路より海側を走るようになる。

道道142号をクランク状にトレースするのではなく、まっすぐ進むと別当賀駅に着いた。

古い貨車を改造した待合室がどっかり置かれていた...

待合室の中。停車する列車は一日10編成のみだった。

上りと下りで止まる回数が違うんだ...

ますます目標を見失う旅である...

虫から逃げて岬の先端部に来た...

天気は良くないが、展望は開けていた。

なんとも寂しい、そして心に訴えてくる場所なのだ...

やっぱりここにも虫はいた...

しかもその数は霧多布岬以上だった。

写真にもしっかり写っている。実際には空気全部が虫という感じ。

刺されるわけではないのだが、とにかく人間にまとわりついてくる。風景を楽しむどころではない...

退散するしかなかった。

涙岩まで草原を500m歩いて到着。

確かに人の顔に見えるね。

しかし、ここでまた虫の襲撃を受けた...

これは感慨にふける暇は無い。早々に退散する...

道道142号線は海に出て、北太平洋シーサイドラインと呼ばれる。

この道路はあまり天気に恵まれていない。昨年も天気は良くなかった...

霧多布岬に着いた。

岬から帰ってくる人が、走ってくる。みんな小走りに走ってくる。

なんでだろう?と思いつつ歩きだした...

琵琶瀬展望台から海を見ると、海上に眼鏡岩と呼ばれる奇岩を見ることが出来る。

台風で眼鏡の片目は無くなってしまっている。

立岩は別方向に歩かないと見えないのかと思ったが、同じ場所から見ることが出来た。

しかし、この写真を撮っている間に大量の虫の中に自分がいた。

全速力ダッシュで虫から逃げるが、着ていたウィンドブレーカーには何匹も羽虫がついていた...

なんとも滅入るね。

これがこの花咲のシンボル的な奇岩、車石である。

放射状節理の玄武岩だそうだ。

岩も思ったよりさえないが、気分もさえない。

恵茶人沼(えさしとぬま)と読むらしい...

牧場の馬が水辺で集っていた。

羽虫の襲撃から逃げ、アゼチの岬にやってきた...

ここも日本離れした風景を見せる場所である。

琵琶瀬展望台を出て、しばらく走ると涙岬園地に到着する。

人の顔のような涙岬に向かってみることにする。

潮を被り走り、襟裳岬へ

道道123号を走って、霧多布湿原を見下ろす琵琶瀬展望台に到着。

この霧多布湿原は花の湿原と呼ばれる。

釧路湿原などに比べて花の種類が多く花の密度が高いためだそうだ。

花咲灯台から、西に向かう...

今回の旅こそは北太平洋シーサイドラインは快晴の時に走りたいと思っていたのだがそれはかないそうにもなかった。

くもり空+霧のなか道道142号を走った。

誰もいない駅

でもこのあたりの路線ではこの落石駅はかなり立派な駅である...

となりの昆布盛駅は秘境駅として有名だし、古い貨車が待合室になっている駅が多いのだ。

線路の向こうは霧に霞んでいた。そして列車も当分来ない。

線路の向こうでふとった猫がじっとこちらを見ていた...

こんなところに何しに来たんだ?って言っているような感じだった。

恵茶人の海岸...

波が荒い浜辺にはウミネコが集う...

突然ものすごい数の小さい虫の襲撃を受けた。逃げ惑い走る...

灯台を見ながら、感慨にふける余裕は無かった。

とにかく虫から逃げるだけ。

霧多布湿原から厚岸へ。

赤い厚岸大橋を渡る...

厚岸の語源は、「カキの多いところ」という説があるそうである。

まさにそのカキを食いまくろうと、無線でOh!さんと盛り上がる。

厚岸グルメパークに到着。ここは道の駅なのだが、駅内に魚介市場やレストラン、炭焼、喫茶などの施設をそろえた、まさにグルメのための道の駅なのである。2Fに上がって、魚介市場で厚岸の味、カキ、サケ、サンマ、椎茸などを購入!となりの炭焼 あぶりやで炭火でジュージュー焼いて食べる。絶品! とにかくカキを焼いて、そして生で...

食べまくって大満足でした。炭火でジュージュー焼いて食べる。絶品!

駅を巡って

台風9号が北上してきていた。

北海道も影響を受けて、稚内以外はすべて曇り空。

今後の天気も期待できないようだ...

落石岬も楽しみにしていたところなのだが、この天気ではどうだろう?

落石駅でいったん停まって、Oh!さんと作戦会議である。

この通りなにもない駅だが、意外にホームも立派だった。

北海道の田舎の駅としては...という但し書き付での話だが...

小雨の北太平洋シーサイドラインを行く...

さらに西に進む。

幌戸という集落のある海岸を通り過ぎる。

正面遠くに見える岬は霧多布岬である...

そして、道道1039号で霧多布岬に向かう。

さて、一昨年は霧で前が見えなかった。

昨年はすばらしい風景だった。そして今回はどうだろう...

厚岸グルメパークから厚岸湖を望む...

厚岸湖は周囲26Kmあるが、最深11mと非常に浅い湖だ。

厚岸大橋で海とつながっているので、実質的には海湾といっても良いだろうな。

さてお腹も満足、国道44号で釧路に向かおう。

国道44号線を西に、釧路の市内で道道113号に入る...

鶴見橋という橋のたもとに六花亭鶴見橋店がある。カキを食べた口直しに、コーヒーとケーキをいただく。ケーキ3つとカフェオーレでなんと850円しかしないし、味もなかな

かのもの。生クリームが美味しい。原料が新鮮だからだろうか?

釧路を出て、国道38号沿いを進む。

交通量は多い。淡々と進む道...

このまま今日は、襟裳岬まで行くことに決めた...

天気がよければ厚内、昆布刈石を通ってずっと海沿いを行きたかったが、天候が悪いので断念し、ナウマン国道の分岐までそのまま進む...

ここが国道38号と国道336号ナウマン国道への分岐の共栄という交差点。

長い信号待ち。

既に釧路から78Km進んだ。

白いS2000のノーズには虫がびっしり付いていた...

荒涼とした原野を進むナウマン国道。

クルマもいない。

何も無い。

それを愉しむために走るのだ...

広尾の街で給油をして襟裳へ向かう...

ガソリンスタンドの社長が、「黄金道路は幌閉めて行った方がいいよ」と言った...

私は「ありがとう。黄金道路の入り口で閉めますよ!」と言ってスタンドを後にする。

そうわかっているさ、この天候だと潮を被って走る道であることは...

幌を閉めて黄金道路に入る...

それほどひどい波では無いけれど、台風は近づいてきている。

波が作る飛沫が霧になってひろがる。

黄金道路の前半は穏やかだった。

これならオープンで走っても良かったな...

と、思っていたのだが...

黄金道路の後半は、近年トンネル化や越波防止柵が作られ眺望が良くなくなっている。

ここに来て越波防止柵の隙間から波が道路に侵入してくる...

Oh!さんは見事に波を被ってしまったようだ。波はこの高い越波防止柵を簡単に越えてくる。

黄金道路のトンネルは一部交互通行だった...

岩盤崩落の影響のようだった。

黄金道路のトンネル化はどんどん進んでいる。そのうち海が見えない道路になってしまうかもしれない...

黄金道路を走りきって、望洋台という展望所に着いた。

走ってきた道を振り返る...

既に17:30を過ぎていた...

この天候では襟裳の夕陽は見れないだろうが、襟裳岬へ急ぐ...

国道336号から道道34号に入る。

既に薄暗い...

百人浜という長大な砂浜に沿って岬の先端部を目指す...

前方に見える山は日高山脈の果て。その果てに襟裳岬はある。

襟裳岬に着いたのは、6時だった...

雨はやんでいたが、重苦しい雲が広がる...

この日の日の入りは6時4分ブルーグレーの岬の風景だった...

日没の方向を見た...

灯台は日没を待たず光を放っていた。

多分、絶対空室はあるはず...

予約もしないで、襟裳の先端にあるみさき荘へ向かう。

案の定、空室はあったけど、今年は他の部屋はいっぱいだった。

襟裳岬の風景を楽しむならこの宿に決まりなのだ...

夕食後に夜の灯台を見に行った。

この日はそれほど寒くなかった。

今日は台風の影響はさほどでも無かった...

天気予報によると、明日は終日雨と決めつけていた。